家族構成は、奥様、息子さん、お父様の三世代家族で、それぞれに独立した生活空間が必要でした。北側は暗渠用水路があるため、駐車スペースに。その周囲には植栽が施され、潤いをもった玄関先にと考え、玄関を入った正面には、中庭を設えて開放的な空間にしています。回廊が中庭を回りこむように、三世代の中心となる南側の居間へと誘います。中庭により居間の通風と玄関への採光を確保し、室内空間に潤いを与えました。東側は通りに対して、周辺環境に配慮した日本瓦葺きの平屋とし、すっきりとした印象を与えています。2階部分は北側と西側に配置し、眺めを楽しむようにしています。
東南にはお父様の居室を配置し、南と西に庭を望みます。1階には和室・居間・食事室と奥様のスペースで広々とした空間をとり、お父様の気配を感じながらも、奥様の自由な生活を確保。2階は息子さんのスペースとして、将来の生活の変化にも対応できるように計画されています。北西の書斎から旭山を眺め、居間前のデッキテラスからは南の庭と中庭を同時に楽しむことができます。
春には大通りの桜並木、秋には庭の柿・モミジと、四季を味わえる空間となり、建物の角度を振ることによって、配置と各部屋のつながりに変化が生まれ、動きや楽しさを演出することができました。
