住宅建築
DOMESTIC ARCHITECTURE
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騰々亭

広島県佐伯郡大野町
騰々亭は、広島銀行保養施設(レゾナンス宮島)の一部です。この保養施設は海浜に沿って広がる日本庭園に面して、本館(RC造3階建て)、新館(SRC造3階立て)、騰々亭(木造平屋)、茶室といった一群で構成されています。
騰々亭には、中央の談話室、正座敷、奥座敷が機能的に配置されています。正座室は12畳の広さで、矩形のタテ、ヨコ比のヨコ幅が広く、奥行が狭い。したがって、踏み込み式の脇床などには虚構を捨て、違い棚など飾りモノは一切設けず、厳しい緊張空間として、タテ、ヨコ比のバランスを考えたデザインになっています。
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玄関ホール
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談話室
談話室、玄関ホールでは、数寄屋として「和」の機能としての「洋」との組み合わせを明確に意識しています。談話室の床の仕上げ材料は手織り緞通です。中央に尾形光琳写しのう牡丹をモデファイし、壁は京からかみ「遠波」の屏風で囲み、それが天井を覆い、天井の中央にはクリスタルガラスを主材に構成した多田美波作の「光造形・あかり」がデザインされています。
隅の暖炉と一体性をもって、夜間は洋の中の和、昼間は和の中の洋を演じます。装飾性としてのインテリアは極力打ち消し、それぞれ素材の主張を大切にまとめています。
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騰々亭の施工者である、日本の名匠「中村外二」は、用途・材料・技術を常に認識し、日本の気候を踏まえて日本建築の伝統美を追求する気迫と、将来の変質への配慮を徹底的に考慮することを信念に、材料の変質を予測した技法、選択など、長年の経験を生かした、正に愛情のなかでつくり上げられた建物なのです。
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